2025年10月9日
いつかGDPRやCCPAの話をするかもと言いましたが、あしたっていまさッ!ポコは大変良いことを言いました。
弁護士たちが、NotebookLMは音声のやり取りや動画を作成してくれるんだぜ、すごーい、などと話しているのを聞くと、遊んでないで仕事しなさい、と思います。
特に海外法制を調査する際にはNotebookLMが大変便利です。しかし、意外と使い方を知らない方が多いようなので、お伝えします。
NotebookLMが優れているのは、透明性に尽きます。
・ソースを自分で選択できる。
・出力の根拠をソースの中から指摘してくれる。
もうこれだけで信用できます。コンセプトの勝利です。
さらに
・ソースをインターネットから拾ってきてくれる。
・翻訳能力が高い
ということもすごいのです。
仕事でGDPR対応を迫られた私は、NotebookLMに、
・公的機関が公表しているGDPRの解説
・Official GDPR Explanations Published by Public Agencies
といってソースを探してもらいます。
もうこれだけ。これだけで私の調査は終わり。
後は聞きたいことを日本語で聞いていくだけ。
昔、英会話教室を運営する会社に熱心に誘われていて、わし英語喋れんから御社じゃ戦力外よ、と伝えたら、近い将来にAIがあれば語学力は不要な時代が来るから、それに備えた新規事業の立ち上げに私の力が必要だと言ってもらったことがあります。私は別の仕事が忙しくて受けられなかったのですが、先見の明がある会社でした。
GDPR対応のプライバシーポリシーの作成も簡単。
・自分はどんな会社です。
・どこの市場で、どんなサービスを提供します。
・サービスを通じて、誰から、どのように、どのような情報を取得します。
・取得した情報はどのように管理します。
・取得した情報のうち、どの情報は、どの目的で、どのような事業者に提供します。
・自社にはプライバシーポリシーが存在しています。
・EEA在住者にだけ適用される自社プライバシーポリシーの特則案を作成してください。
こんなことを伝えれば、表まで使った結構しっかりした案を作成してくれます。
AIが発展すれば弁護士は仕事を失う、なんて言っている若手がいますが、安心して。プロンプトエンジニアリングでは結構差がつくから。自力でプライバシーポリシーを作れる人間じゃないとできないから。
もうAIのお陰で仕事が捗る捗る。
もっとも、AIが敵に回ることも多々あります。
あるとき、利用規約を納品して、テストページの確認を求められたの。そうしたら、なんかところどころ単語が書き換えられていて、用語の統一が崩れているの。ふざけんなてめーぬっころしますわよ、と返したら、なんか、テキストデータをWEBページにするときにいい感じにデザインするAIの誤字修正機能が誤爆したのですって。あらやだこわい。
AIリスクが顕在化したケースもあって、通販サイトに出品した食品の商品名にSEO対策ワードを書き加えるAIを使っていたら、景表法薬機法健康増進法にひっかかるNGワードが追加されていて、同業他社の手先と思われる消費者が関係各所に通報しまくったのです。この対応はもう平謝りのみ。再発防止はAI出力の目視チェックの徹底のみ。
AIはAIを使いこなせる人間の省力化ツールに過ぎず、AIをチェックする人員も必ず必要なので、私の仕事が奪われることはないのです。勝つことの手助けも負けた場合のフォローも弁護士のお仕事ですから、役立とうがやらかそうが、どっちにしたってAIは私の仕事につながります。
GDPRとCCPAの話?AIに聞け!