大学時代の恩師とゴルフの話になりました。恩師は、ゴルフはスコアを求めるゲームなのだから、期待値を高めるためにリスク回避を徹底するべきだと主張します。私は、それでは詰まらない、自分の中のベストショットを日に何回か打てればスコアは悪くても満足だと返しました。
昔は似たような性格であったはずなのに、どうしたことでしょう。原因を考えたときに、私がリスキーになったわけではなく、リスクを許容できる人生になったことに気づきました。
ゴルフではボールは1つしかありませんから大切に打ちます。恩師は学者なので常に目の前の研究に集中しています。だから慎重なプレーで堅実に成功することが最適解です。
私は会社員時代に新規事業開拓を担当していました。常に必殺必中の覚悟で挑んでいましたが、当然、失敗もします。しかし、誰も私のことを責めません。敗因分析をして、よっしゃ次に活かそう、という社風でした。さぼっていて失敗したならば激詰めしますが、私が怒られることはありませんでした。素晴らしい環境でした。
商売がうまくいくかいかないかは運不運です。確率を高めるために全力を尽くすだけであり、全力を尽くしたところで失敗するときは失敗します。新規事業に成功すれば投資額の20倍を得られるとします。ならば10分の1しか成功しなくても数を仕掛ければ大儲けできます。
私は職業を聞かれれば自由業と名乗り、将来投資だと言いながら、いろいろな場所で採算度外視の労働提供をしています。私の仕事はギャンブラーです。ギャンブラーにとっては、常にベストショットを狙いながらボールの数を増やすことが最適解です。私はそれをゴルフで実践しています。
私が1日に最大6個のボールをなくすことには理由があるのです。