受忍率。うむ。我ながら良い言葉だ。
預り金を横領した弁護士のブログが公開されたままになっとるで、と聞いたので見てきたら、自分はすごい弁護士だという趣旨のプロフィールが長々書かれており、若手の頃から受任率85%を誇っていたそうです。ほーん。
その横領弁護士、特定の分野のみ受任することでクオリティを高めようと、債務整理、交通事故(被害者側)、相続、離婚、中小企業の経営支援に取扱分野を絞った、とのことです。かなり高度なギャグセンスだなと思いました。
私は取扱分野を絞っていないはずなのに、中小企業の経営支援以外は被りません。今日もワークフロー構築の打ち合わせと海外法制調査の合間に契約書を添削して日が暮れました。横領犯がクオリティを高めていた経営支援はそういうのじゃないだろうなとは想像できます。
私の受任率はどんなものかなと思ったら、そもそも受任という概念がありませんでした。紹介で相談を受ければ全力回避。顧問先からの仕事は基本総受け。中には受けたくない仕事も当然あるわけで、受忍率を下げよう、楽しい仕事だけをしようと日々頑張っておるわけです。
受忍率を下げる方法ですが、私には忙しくなることしか思い浮かびません。「今忙しい。」それ以外に断る言葉を知りません。思い返すと、このセリフは、元ボスがやりたくない仕事を断るときの常套句でした。元ボスはやんちゃな顧問先を多数抱えて、企業同士のゴタゴタの泥臭い解決ばかりしていました。
私は泥臭い仕事が発生しないように顧問先を整備して回っています。グラウンド整備の人です。結局泥臭いじゃないか。雛鳥の刷り込みのようなもので、一番最初に見た弁護士像は拭えません。横領犯のブログを見ていたら、巡り巡って、とても懐かしい気持ちになりました。