#お金の話
ドラマ「結婚できない男」が放映されたのは2007年、当時の結婚できない男は独身貴族であったのに、現在は低所得故に結婚できない男たちばかりになった、のだそうです。なるほど。私も結婚に際して自分の可処分所得の減少を考えてしまいます。
私はずっと独身貴族で、入ってきたお金をちょうど使い切ると物欲が満たされるというその日暮らしを続けています。今は若い頃よりも収入が増えたのですが、その分だけ支出が増えています。その結果、ずっと、何も我慢せずに暮らしていると不思議と収支が一致するという生活が続いています。
言い訳もあります。年を取って、ご馳走される側からする側に立場が変化したので、接待交際費が増えました。それにしたって不思議です。接待交際費の増加を上回る売上の増加があり、税率が100%なわけはないのですから、可処分所得は増えているのです。それが全て消えている。なにかがおかしい。
若い頃からの変化を振り返ると、圧倒的に旅行が増えました。日帰りを含めると年に20回は旅行しています。若い頃は年に一桁、お金も青春18きっぷを駆使して1回3万円以下でした。軽々と7桁円に乗る差額とそれを手元に残すために支払う税金とで所得の増加分のほとんどを吸収できます。謎はすべて解けた。犯人は税金だ。
なんでこんなことに、と振り返ると、きっかけは友人たちとの会話であったことを思い出しました。
「旅行が好きなんだけど、家族ができたらその何倍もお金がかかるんだよね。それを考えると結構きつい。」
「そんなことはないよ。子どもができたら小さいうちは公共交通機関を利用できないし、遠出にも耐えられないし、学校に通うようになったら長期休暇しか旅行できなくなるから、心配しないで今のうちに心ゆくまで旅行したほうが良いよ。」
「わかった!今のうちに存分に旅行する!」
私の計算が正しければ、結婚できたら一時的に増加している旅行費用が減少して、そこから家族維持費が捻出されるはずです。青色専従を使えれば税金だって家族維持費に回せます。なんだか結婚できる気になってきました!
ただ、家族維持費としてどの程度の予算を組んでおけば良いのかがわかりません。結婚している友人に「毎月いくら残せるようになったら結婚できるのか」と聞いたら、返ってきた答えは「結婚できない理由がわかった」という無慈悲なものでした。曰く、「いまどき結婚しても奥さんは働くのだから、結婚して2人で暮せば家賃が圧縮できて、生活が楽になる。そう考えたから若いうちから結婚できた。」とのことでした。糟糠の妻というやつですね。羨ましい。
とはいえ、おじさんこの年で結婚したら早々に子どもが欲しいから、共働きなんて期待できないんですよ。奥さんが働きたければ働いていただいてなんら問題ありませんが、その場合でも家にお金を入れる必要はありません。青色専従が使えなくなって私の資金繰りが苦しくなるだけですが、働きたい気持ちを尊重します。私には勤労意欲がないので素晴らしいことです。専業主婦だったとしても私も家事育児にコミットしますし、一人暮らしが長いから食糧は自分で調達するし汚部屋耐性はあるし洗濯はこまめにするので家事の質も求めません。過度な浪費をせずに不倫しなければそれで満足です。
以前、そんなことを話していたら、先輩の奥さんのガチギレされました。「何も要求しないんじゃ相手が可哀想だ。何かをして欲しい人に結婚を申し込むべき。」だそうです。言わんとすることはわかるが、そんなこと言われても、困る。
振り返ると結婚できない理由を指摘された記憶しか思い起こせません。お金がないから結婚できない男が増えた、という論調に反論したい。お金がないから結婚できないならばお金を稼げば良いだけですが、問題はもっと根深いのです。一人に慣れると結婚できなくなるのです。