2026年2月12日
いつも思うのは、最近の若手エンジニアはポンチ絵すらまともに書けないということです。
私の仕事は時勢に左右されるので、最近はAIを利用した新サービスのリーガルレビューを依頼されることが多いのですが、いくらベンダーをつついても、個人情報はどのように処理されます、というポンチ絵すらまともに出てきません。「ちゃんと処理しています」は説明になっていません。「学習には用いません」というのは学習以外には利用するという意味です。いいからデータフローを示せ。ポンチ絵を書いてみせろ。
思うに、ポンチ絵を書けないのは、紙と鉛筆を使ってプログラミングをしてこなかったからです。
紙と鉛筆を使ってアルゴリズムを設計するというのはプログラミングの基礎の基礎です。老害化が進行している私も紙と鉛筆で育ちました。
しかし、最近の若者は文法丸暗記しかしません。だから構造が理解できない。構造を理解していないからポンチ絵すら書けない。
特にAIはマシンパワーがものをいう世界です。
私は、西暦2000年くらいに、まだAIと呼ばれていなかった機械学習プログラミングを専門としていました。そのときに学んだ分析手法は、未だ、ごくごく一部のAIにしか実装できていません。
博士号持ちのAIベンチャー社長が、AIエンジニアになるには博士号は不要で、今できることを組み合わせるアイデアがあれば良いと話していました。目先の金稼ぎを考えれば正しいのですが、その弊害がポンチ絵すら書けないエンジニアの量産です。
スキリングは建築と同じです。基礎を固めるどころか地盤を改良しなければ堅牢な高層建築物を建てることはできません。紙と鉛筆で育った私が若い雑魚に負けることは一生ないと断言できます。
AI利用によって、これからは法律でも基礎を学ばずにそれっぽいことを言う連中が育つのでしょう。私個人としては、雑魚ばかりになれば労せずして勝てるのでウェルカムですが、社会の一員としては不安です。
「力をつけたければ億劫がらずに基礎から学べ」ということを、野心ある若者に伝えたいです。これは本当に本当のことです。「最近の若いもんは」と繰り返す私は老害の自覚を抱いていますが、厳然たる事実として、私の若いころはもっとできたし将来性を感じさせるもの(基礎の理解)を見せていたよ。
2026年6月18日
若手弁護士と会食していたら、ほぼ全員がAIを使っていました。
そして、契約書添削AIの出来が良いとか言っています。
とりあえずこれを熟読していただきたい。
https://legalontech.jp/privacy-policy/product/
注目すべき点は2つだけです。
「対象サービスはこちら」のリンク先に「LegalOn」が入っていること。
「3. 個人情報の取得と利用
当社は、以下の目的に必要な範囲で、利用者の個⼈情報を取得し、取得した情報を利用します。以下の⽬的の範囲を超えて個⼈情報を利⽤する場合には、事前に適切な⽅法で利用者からの同意を得ます。
(2)本サービスの利用履歴等を調査・分析し、本サービスの内容を改良・改善し、又は新サービスを開発するため」
法律家なのですから法的に評価しましょう。LegalOnに入力した個人データは、個人情報保護法の観点からは第三者提供に該当する上に、サービスの改善は弁護士としての利用目的の範囲を逸脱するため委託構成も取れません。
それ以上に、契約書には職務上知り得た秘密が含まれるため、これを第三者に開示することは弁護士としての守秘義務違反を構成します。
LegalOnも契約種別によってはプライバシーポリシーの特則があるのだと信じたいですが、行き当たりませんでした。
そもそも論ですが、AI開発は学習が全てです。特化型AIが汎用AIに勝つことはあり得ません。勝つことがあるとすれば、RAGなどのガワで逆転しているだけです。汎用AIの中でも、notebookLMは擬似的に特化型AIに仕立てられます。
特化型AIの経営層は商売上手なコンサルやファンド出身者ばかりです。
特化型に分類される中でも、Legalscapeは法律書籍サブスクとして素晴らしいですね。書籍の執筆者としては、一山いくらのサブスク送りは残念な気持ちになりますが、正確性を求めるRAGのソースに選ばれたならば誇らしい気持ちになる。その心理を利用して、AIサービスを名乗る法律文書サブスクとして成功しています。
何事にも理由があって、だから私はgeminiとcopilotとDeepLしか使わないのです。