#法律の話
2025年9月30日
AI研修を受けたのですが、そこで面白い議論を教えてもらいました。
学者や弁護士曰く
「AIのプロンプトに個人情報を入力することは委託にあたるのではないか。その根拠は次の通りである。
個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)
平成28年11月
(令和7年6月一部改正)
個人情報保護委員会
…「個人データの取扱いの委託」とは、契約の形態・種類を問わず、個人情報取扱事業者が他の者に個人データの取扱いを行わせることをいう。具体的には、個人データの入力(本人からの取得を含む。)、編集、分析、出力等の処理を行うことを委託すること等が想定される。
しかし個人情報保護委員会の見解が二転三転している。
クラウドサービス提供事業者が個人情報保護法上の個人情報取扱事業者に該当する場合の留意点について(注意喚起)
令 和 6 年 3 月 25 日
個人情報保護委員会
…「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A(以下「ガイドラインQ&A」という。)の7-53 により、委託(又は本人の同意が必要な第三者提供)に該当するかどうかは、クラウドサービス提供事業者において、個人データを取り扱うこととなっているのか又は取り扱わないこととなっているのかのいずれであるかが判断の基準となります。当該クラウドサービス提供事業者が、「当該個人データを取り扱わないこととなっている場合」とは、契約条項によって当該クラウドサービス提供事業者がサーバに保存された個人データを取り扱わない旨が定められており、適切にアクセス制御を行っている場合等が考えられるとされています。
よくわからないからAIは危険である。」だそうです。
なぜこのような議論が生じるのかわからなかったのですが、学者や弁護士は、どうやらAIによる推論が「分析」に当たると考えているようです。なるほど、確かに、推論プロセスにおいても日本語的には入力情報の分析がなされていると言えるような気もしました。
基本的なことの確認ですが、AIは学習と推論からできています。
著作権法による情報解析とは学習のことです。そのため、私は、「分析」という言葉を見たときに、情報解析の類義語であるように受け取りました。要するに、「分析=学習」であるというのが、私の受け取り方です。
私の受け取り方を前提にすれば、個人情報保護委員会の見解は二転三転などしておらず、首尾一貫して、他人の個人情報をAI業者に学習の用に供させたらあかんで、と言っていることになります。
そのため、おそらくですが、私の受け取り方が、個人情報保護委員会の意図に沿ったものなのでしょう。