2026年4月7日
最近、弁護士業界でも物価高が話題になります。
「物価高に応じて値上げしようと思うんだけど、みんなはどんな感じ?」いつも誰かがそんな話題を切り出しています。私はそんな話題を聞きながら、労せずして私のフィーアップも果たせそうで嬉しくなっています。
弁護士業界は未曾有の人手不足です。新人弁護士が売り手市場であるだけでなく、事務職員の給与水準も高騰しています。
新興系法律事務所は司法アクセスの解消と同時に事務職員の待遇改善をもたらしました。しかし、新興系法律事務所は、若手弁護士にタイパを重視させ、古き良き時代の弁護士のスキルアップ手段を阻害しているので、善とは言い切れません。なんとも難しい問題です。
弁護士のスキルにも多様性を認めてタイパを重視する弁護士を認めても良いじゃない、イージーネゴシエーターが増えれば私の仕事が楽になるという本音もあります。依頼者のためにそれは(・A・)イクナイ!!という建前も捨てきれず、本当に難しい問題なのですが、私が考えたところで時代の趨勢は変わらないので、受け入れて楽をしようという気持ちが日々大きくなってきています。
事務職員に十分な給与を支払ったら事務所が回らない、しかし、事務職員がいなければ仕事ができない、事務職員の給与水準を上げるために弁護士報酬を高くしよう、というのが、最近私の周囲で行われている議論の流れ。そんな話を聞くたびに、弁護士って経営者なんだな、と思います。そして、事務職員の給与水準が上がることは素晴らしいことだとも思います。
ですが他人事です。私は事務職員を雇わない完全一人事務所ですから、プレーンな経費に変化はありません。2025年の経費が急増したのは、若手界(15年目まで)の長老という身分からです。
けしからんことに、経費計上できない昼食は高くなっていると感じます。800円のランチが1,100円になっている。1,050円のトッピングが多いラーメンが1,300円になっている。私は自炊をしないので、唯一物価高を感じる場面です。
一方で、夜は安くなっています。一昔前、ジャパニーズウイスキーが品薄で、ハイボール1杯で1,800円取られました。今は1,200円で飲めます。先日、プライベートでお寿司を食べに行って、お酒を飲まなかったら、1人5,000円弱でした。結構色々頼んで、お腹いっぱい食べました。お酒を飲んでも1人8,000円かからないと思われます。その前は、和食のコース料理を食べて日本酒もガンガン頼んで、1人10,000円くらいでした。さらにその前は、ふぐのコースと飲み放題で11,000円でした。昔よりも安くなっている印象です。もっとも、若い子3人にごちそうすれば、私の分も含めて4万円5万円になるわけで、それが重なると、昨年の経費になります。
私のプレーンな経費は増えていない、夜のお大尽にお金はかかるが単価で考えるとむしろ安くなっている、唯一お昼ご飯だけ高くなっている、それが私の現実です。
一方で、事務職員の給与水準が高くなっているが、お昼ご飯は高くなっている。これは本当に深刻な問題です。
食料品に限らず、生活必需品の消費税を下げて、嗜好品を高くすることが求められていると、強く感じています。
タイパ重視の弁護士が増えて私の仕事が楽になっている、私の懐に影響するところだけピンポイントで物価が安くなっている、私はとても都合良い身分なので、良識的な傍観者でいられます。