2025年9月12日
なんか日弁連から「弁護士のキャリア形成とライフスタイルに関するアンケート調査」への回答依頼が来たので回答したのですが、収入区分と所得区分が同じで、売上が悪いけれど経費がかからないから稼ぎはそれなり、ということを確認できました。ただ、アンケートの労働時間には、弁護士会活動など収入に結びつかないものも含む、とされていたので、良好なタイパを見せつけることができずにがっかりだよ。回答だけ見ると、ただの売上が悪いから経費をかけられない雑魚弁護士だよ。独立以来10年の積み重ねを否定された気分になりました。
先日、後輩たちと食事していた際に売上の話になり、私の収益構造をお話しました。酔っ払っているのでうまく情報を引き出されたような気もしますが、隠す話ではないので、ここでも書きます。
私は大口のクライアントが複数、それぞれから新卒ならば雇えるかもねという金額をいただいて生活しています。売上は極めて安定しており、年俸制のサラリーマンのような収益構造です。もっとも、サラリーマンと比較すると労働時間は非常に短く、合計しても週40時間に全く届きません。
若きエリート弁護士は、初年度から私と似たような所得を残せるそうです。ですが、私は若きエリートの半分も働いていません。労働時間が長くなればなるほど割増賃金が発生するのが世の常です。それを考えれば、私は若きエリートの倍を優に超える効率で稼いでいます。それが弁護士歴15年の成果です。
では暇なのかというと、弁護士会活動とかあるんだな、色々。そこでは売上どころか若い子にご馳走したりで支出が多いのですが、私は今も先輩方からご馳走になり続けていますから、芸人文化を承継していきます。芸人生活をすると、私が受けられない仕事を受けてもらえる能力人格ともに信用できる友人もできますし、楽しいし、なんかそれっぽい肩書もついてくるし、書籍執筆などのアカデミック方面の実績ができます。
私は今はフリーランスの法務部員を満喫していますが、世間的な定年を過ぎてこの働き方ができるとは思っていません。段々と、現場にいるには重すぎる立場になっていくからです。助っ人外国人からややもすればかわいそうな人に降格です。そうなれば食いっぱぐれるので、社外役員や名ばかりではない顧問として、手ではなく名前と知恵で稼げるようになる必要があります。
企業における活動実績はもちろんのこと、弁護士会活動を通じて得られるそれっぽい肩書やアカデミック方面の実績も、いずれ名前と知恵で稼ぐための先行投資です。私はお金だけでなく将来に向けたキャリアも稼いでいます。だから売上の割に忙しいのです。しかし、売上の割に稼ぎは良い。そこそこの稼ぎと将来構築を同時に行いながら過度な負担にはなっていない。何より、楽しい仕事の割合が高い。働きたくない病に冒されている私にとって仕事が楽しいことは最重要です。
現在の私は、稼ぎはそこそこですが、トータルで成功しているという自負があります。だからライフスタイル調査の回答を提出前に見直して、とてもがっかりしました。我が日弁連よ、心配してくれるな、現実は数字よりもずっとハッピーだぞ。
自分でも都合よく暮らせているなと思うので、今週の仕事を記憶の限りで吐き出しました。
・北米市場向けプライバシーポリシーの作成(継続)
・ヨーロッパ進出スキームの助言(継続)
・情報セキュリティ体制構築への助言(継続)
・AIサービスにおける個人情報取扱の助言(新規)
・就業規則改定(給与テーブル追加)
・各種契約書添削・作成(大体10通くらい)
・各種法律相談
・各種労働相談
・各種契約交渉助言
・研修講師
うん。労働時間こそ短いが、成果としては1人前以上に働いてる。今週は偶然個人情報周りに偏っていますが、事業相談は本当にありがたくて、新規クライアント獲得の際に、どんな会社でどんな仕事したで、と売り込めます。分野が散らかっていても、数が揃えば評価は逆転し、わしなんでも相談乗るよ、と言えるようになります。履歴書よりも職務経歴書に自信ニキです。日弁連よ。これが私のキャリア形成とライフスタイルだ。
私はマーケティング出身ですから、どんな情報を引き出したいという意図が見えないアンケートを見ると本当にイライラします。