2015年に独立した当初、自動車関連の仕事ばかりしていました。会社員時代の上司が独立して経営する会社の顧問弁護士にしていただいたからです。ただ、会社員時代からの上司部下というのは難しく、こちらは独立して経費がかかるというのに報酬がサラリーマン感覚なので、とても合わないと喧嘩別れしました。
その後、サラリーマン時代から現在までお世話になり続けている不動産業者の仕事を中心に、不動産ばかり扱う時期がありました。不動産は好きなのでかなり勉強し、このまま不動産弁護士として食べていくのかなと当時は思っていました。
独立して5年、ようやく大きな仕事が入ってくるようになったところで新型コロナ禍になりました。売上が数百万円流れ、新件もほとんど入ってこなくなりました。不動産経営が当時の夢だったのですが、そのビジネスモデルが崩壊する様も目の当たりにしました。ただ、周囲が揃って酷い状況だったので反って悲壮感はなく、先輩たちと、皆で遊びに行けるチャンスは今しかないといろいろな遊びを企画しては中止になるという生産性が全く無い時期を過ごしました。先輩たちとワイワイガヤガヤ遊びのことばかり考える時間はとても楽しかったです。
新型コロナ禍が落ち着いて不動産の仕事に復帰すると思いきや、2022年ころからは人材関連と個人情報の仕事ばかり入ってくるようになりました。新型コロナ禍によって人材の流動化が進み、WEB会議や生成AIといった新技術が急速に普及したからです。ただ、弁護士の仕事が増えることはわかるのですが、なぜ私が選んでもらえるのかは謎です。新型コロナ禍でもワイワイガヤガヤ遊んでいた余裕が頼もしく見えたのかも知れません。余力があると不況に耐えられるだけでなく復活も早いのだと思います。年齢的にも、43歳で働き盛りに入ったのでしょう。
2024年ころからはエンタメの仕事が多いです。エンタメの主戦場がインターネットに移ったので、知財法に加えてIT関連の知見が求められるようになったからです。私は元IT企業のサラリーマンなのでプログラムの著作権ばかり扱っていましたし、ITの扱いにも慣れています。これは必然だと思います。
自動車、不動産、人材、個人情報、エンタメ、というのが独立後のマイブームの変遷です。その前のサラリーマン時代はM&Aや組織再編が多く、機関法務がマイブームでした。
マイブームの変遷とは離れて、常になんらかの案件を抱えている分野が労働です。正直、大嫌いな分野なのですが、逃げられません。個人顧客を集客するならば労働案件を断ることもできるでしょうが、顧問先の労働案件を断る権利は顧問弁護士にはありません。私は受験生当時、労働法を労働者側の法律だと捉えていましたが、実際には使用者側の必修科目でした。労働法は司法試験の選択科目において不動の一番人気ですが、皆よく考えていて偉いです。私は、企業ならば知財法でしょ、とイメージで選択科目を選びましたが、実務に出てみると知財法を使う企業の仕事はごく一部でした。だから私もマイブームによって知財法を使ったり使わなかったりします。
自分が5年後にどんな仕事をしているかイメージできないのですが、流れ流され5年後の社会の要請に応えていると思います。私には時代の流れに乗る器用さはないのですが、時代に流されることもスキルだと思っています。
2025年9月12日
なんか日弁連から「弁護士のキャリア形成とライフスタイルに関するアンケート調査」への回答依頼が来たので回答したのですが、売上が悪いけれど経費がかからないから稼ぎはそれなり、ということを確認できました。ただ、アンケートの労働時間には、弁護士会活動など収入に結びつかないものも含む、とされていたので、良好なタイパを見せつけることができずにがっかりだよ。回答だけ見ると、ただの売上が悪いから経費をかけられない雑魚弁護士だよ。独立以来10年の積み重ねを否定された気分になりました。
先日、後輩たちと食事していた際に売上の話になり、私の収益構造をお話しました。酔っ払っているのでうまく情報を引き出されたような気もしますが、隠す話ではないので、ここでも書きます。
私は大口のクライアントが複数、それぞれから新卒ならば雇えるかもねという金額をいただいて生活しています。売上は極めて安定しており、年俸制のサラリーマンのような収益構造です。もっとも、サラリーマンと比較すると労働時間は非常に短く、合計しても週40時間に全く届きません。
若きエリート弁護士は、初年度から私と似たような所得を残せるそうです。ですが、私は若きエリートの半分も働いていません。労働時間が長くなればなるほど割増賃金が発生するのが世の常です。それを考えれば、私は若きエリートの倍を優に超える効率で稼いでいます。それが弁護士歴15年の成果です。
では暇なのかというと、弁護士会活動とかあるんだな、色々。そこでは売上どころか若い子にご馳走したりで支出が多いのですが、私は今も先輩方からご馳走になり続けていますから、芸人文化を承継していきます。芸人生活をすると、私が受けられない仕事を受けてもらえる能力人格ともに信用できる友人もできますし、楽しいし、なんかそれっぽい肩書もついてくるし、書籍執筆などのアカデミック方面の実績ができます。
私は今はフリーランスの法務部員を満喫していますが、世間的な定年を過ぎてこの働き方ができるとは思っていません。段々と、現場にいるには重すぎる立場になっていくからです。助っ人外国人からややもすればかわいそうな人に降格です。そうなれば食いっぱぐれるので、社外役員や名ばかりではない顧問として、手ではなく名前と知恵で稼げるようになる必要があります。
企業における活動実績はもちろんのこと、弁護士会活動を通じて得られるそれっぽい肩書やアカデミック方面の実績も、いずれ名前と知恵で稼ぐための先行投資です。私はお金だけでなく将来に向けたキャリアも稼いでいます。だから売上の割に忙しいのです。しかし、売上の割に稼ぎは良い。そこそこの稼ぎと将来構築を同時に行いながら過度な負担にはなっていない。何より、楽しい仕事の割合が高い。働きたくない病に冒されている私にとって仕事が楽しいことは最重要です。
現在の私は、稼ぎはそこそこですが、トータルで成功しているという自負があります。だからライフスタイル調査の回答を提出前に見直して、とてもがっかりしました。我が日弁連よ、心配してくれるな、現実は数字よりもずっとハッピーだぞ。
自分でも都合よく暮らせているなと思うので、今週の仕事を記憶の限りで吐き出しました。
・北米市場向けプライバシーポリシーの作成(継続)
・ヨーロッパ進出スキームの助言(継続)
・情報セキュリティ管理体制構築への助言(継続)
・AIサービスにおける個人情報取扱の助言(新規)
・就業規則改定(給与テーブル追加)
・各種契約書添削・作成(大体10通くらい)
・各種法律相談
・各種労働相談
・各種契約交渉助言
・研修講師
うん。労働時間こそ短いが、成果としては1人前以上に働いてる。今週は偶然個人情報周りに偏っていますが、事業相談は本当にありがたくて、新規クライアント獲得の際に、どんな会社でどんな仕事したで、と売り込めます。分野が散らかっていても、数が揃えば評価は逆転し、わしなんでも相談乗るよ、と言えるようになります。履歴書よりも職務経歴書に自信ニキです。日弁連よ。これが私のキャリア形成とライフスタイルだ。
私はマーケティング出身ですから、どんな情報を引き出したいという意図が見えないアンケートを見ると本当にイライラします。
2026年7月9日
取引先にクリエイティブ系の企業グループがあるので、エンタメ関係は結構扱うのですが、最近は、他の取引先でも、広告に口出しするようになりました。
私は元々マーケ出身ですから、お隣の広告も勉強していました。しかし私にはクリエイティブ系の才能が全くないので、広告からは離れていました。この広告クソだなと思っても、代替案を出せないのに否定することは、私にはできないからです。
最近は、一見してアカンものについては「チャッピーはこういうとるで。こっちのがええやろ?」と返せるようになりました。AIのおかげでリーガルレビューのついでの広告自体のレビューもできるようになりました。AIは怖いな、人間の仕事を着実に奪っているな、と思います。そして私には仕事を運んできてくれます。
法律を意識しながら広告戦略とターゲットを考えて、そこに刺さるコピーをAIに考えさせる私もエンタメ弁護士を名乗っても良いのではあるまいか。名乗った瞬間に仕事が狭まるから名乗らんけれども。
2026年7月30日
今日は、ゲーム制作会社から、海外のAIサービスを使って、ゲーム内で用いる素材(モーション)を作ることについての相談を受けました。
くっそくだらん話ですが、アクターとなる従業員のモーションをAIサービスにぶち込むので、個人情報保護法の問題が生じます。さらに、肖像権の問題も生じます。本当にくっそくだらんのですが、その従業員とトラブって退社となるときに権利主張されたら面倒くさいので、書面で握っておく必要があります。起こりうるリスクに対処するのが仕事ではあるのですが、社会的事象を観察すれば誰も困らんのに、インターネット社会で皆が妙な知恵をつけよって権利主張しよるから、手続屋としては本当に面倒です。私の仕事を産み出してくれていると考えることもできますが、楽しくない仕事はしたくないんよ。そんなわけで、当該AIサービスの利用規約やらプライバシーポリシーやらセキュリティ体制やらのチェックを行いました。
それよりも、嫌な予感しかしないのがラインセスです。おじさんは通信系のIT企業出身ですから、開発現場のみなさんから色々と叩き込んでもらって育ちました。このライセンスのモジュールを組み込んだら最後、権利を乗っ取られるんやで、とか。GPL汚染が嫌ならばモジュールを使わなければ良いじゃん、とか抜かす馬鹿どもがいますが、システム開発っちゅうんは下請け孫請け曾孫請けの世界なんよ。いくら契約で縛っても下流ほど契約書を読まんし、賠償責任を負わせたって支払い能力が無いんよ。こちらの問題については、おじさんのマンパワーが不足したので、現場に確認をお願いしました。おじさんの経験上、ライセンス関係は現場の方が詳しいのです。
そんなこんなで、ゲームの素材一つ作るにも個人情報やら肖像権やら著作権やらAIやらオープンソースやらの知識が必要になるのです。当然、取適法やらフリーランス新法やらも絡んでくるわけですね。
エンタメ要素なんてないぞ(真顔)
2026年8月18日
今日はエンタメ関係の仕事が多い一日でした。
作家のライツマネジメント事業について、出版権の勉強をし直しました。過去にも勉強していますが、その度に忘れてしまいます。その方が法改正に対応できるのでまあいいか、と楽観しています。受験生と実務の一番の違いは、覚えなくても良いことであるように思えます。
新サービスについての記者会見のシナリオをチェックしました。私の取引先だけでなく、お招きする関係者全員についてリスクチェックをしなければならないので大変です。あれは駄目これも駄目だとお客様が離れていくので、「ええか。こういう台詞に言い換えるんやで。この方が盛り上がるやろ?」という台詞をひねり出す、シナリオライターのような仕事です。
もちろん、今日も今日とてサービス利用規約の改定作業や労働相談などの日常業務も行いました。裁判所とは無縁の日々がすっかり板についています。受験生時代には想像もしなかった働き方をしていて、職業としての弁護士になりたかったわけではないという初心を実現できているとは思います。かといって、具体的に何がしたいと思っていたわけではないので、夢が叶ったわけでもありません。そもそも、弁護士ではない何かになりたいというのは夢と呼べるほど具体化されていないので、夢などありませんでした。
いいようのない虚無感を覚えながらも、知らなければ調べる、駄目というだけで終わらない、という基本は徹底できているので、だから座して仕事を待つだけでもご飯を食べられるのだと思いました。そんな感じ。
2026年10月6日
んあー!今日は色々立て込んだ話が入ってきてパニックです。
ゲーム開発会社Aの開発部門からの、著名3D開発ソフトの拡張機能を開発したので販売したいという相談です。自社のために拡張機能を開発したら便利なので売れるのではないか、というジャストアイデアでした。それはもう有名な、私でも名前を聞いたことがある開発ソフトなので、拡張機能のマーケットプレイスも用意されています。必ずしもマーケットプレイスを利用する必要は無いようなので、利用する場合としない場合のメリットとデメリット、技術的・法的な要確認事項の違いをまとめています。
続いて、B社からの、従業員がやらかしたからどうやって処分するか、という相談です。懲戒処分は、処分の相当性だけでなく、他の従業員への影響、今後の事業への影響、プライバシーの保全、手続保障の与え方など考えることが山積みです。だからこそ、弁護士によって関与の度合いは千差万別だと思います。
そして通販業者(ECモールに出品)C社からの、WEBの商品ページに誤情報(優良誤認)が掲載されていることが発覚したという相談です。筋論としては返品なのですが、出荷分も性能に問題はないので、期限を区切っての返品希望受付フォームの設置という対応に向けて調整中です。法的には全部返品で謝罪というのが楽なのですが、法的リスクを回避しつつ持ち出しを減らしつつ炎上を避ける作戦を検討しています。
合間を縫って、流行りの推論モデルは法律分野では解決策にならないという研修ネタの整理もしました。他士業交流会の前座セミナーの講師(前説)もします。
いずれも一日では終わらない仕事だったので、けっこうしんどいです。そして見ての通り、法律以外の仕事の割合が多いですね。私の職業は自由業なので、自分でも何をやっているかわからないというのは本当のことなのです。
2026年10月8日
組織というのは本当に面倒です。現場、マネージャー、法務、私、といった伝言ゲームが行われるので、結局、現場が何をしたいのかの把握に時間がかかります。マネージャーが現場をわかっていない、法務もマネージャーに対して法的な観点からの質問しか投げかけない。
私が組織の中の人ならマネージャーと法務を外すことから着手しますが、そういうわけにもいかないので、エスパー能力を発揮して、こういうこと?それともこういうこと?と具体的なやりたいことを投げかけます。なんと不毛な作業か。
なんとなく話を丸める人は、上司のウケが良いので、出世する傾向にあります。しかし、私は、一番有害な人種だと考えています。10を聞いて1しかわからないから1を伝える。そんな人間を介在させれば情報の欠落が起こります。それは組織にとって致命的です。
1を聞いて10を想像し、うち5を確認できれば5を伝える。私は伝言ゲームにおけるブースターになりたい。そんなことを思いながら、今日もエスパー能力を発揮しています。私の仕事は察してちゃんならぬ察するくんです。トラブルシューターを生業としていられるのは、論理的思考に加えて知識と経験に裏打ちされた想像力があるからなのだと思います。
中小企業法務という弁護士の業務領域を示す言葉があるらしいのですが、よくわかりません。
まず中小企業の範囲をどのように考えるべきかがわかりません。さらに企業法務という言葉もなおさらわかりません。
中小企業基本法によると、中小企業の定義は、サービス業ならば「資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人」となります。資本金100万円、従業員数は家族を入れて10人、契約書の確認は一切しないという中小企業を想定した場合、弁護士の関与は、取引先がお金を払ってくれない、などの訴訟だけになるでしょう。資本金1000万円、従業員数300人で上場を目指しており専任の法務部員もいるならば、弁護士は、新規事業に関する相談を受けることになります。依頼者の属性によって弁護士に求められるスキルは全く異なり、中小企業という言葉はなんら依頼者の属性を絞り込んでくれません。法務部などお金にならないから重視しない、トラブルにならないと弁護士に相談しない、というやんちゃな大企業もありますから、企業規模と業務領域を結びつける発想がナンセンスに思えます。
企業法務という言葉も不明確です。訴訟法務といっても建物明渡請求や貸金返還請求を企業法務と呼ぶことには違和感があります。しかし、知的財産権の帰属を争うならば企業法務感が出てきます。契約書の添削や新規事業の相談は企業法務でしょう。株主総会対応は企業法務です。M&Aの際のデュー・デリジェンスも文句なしに企業法務です。労働事件は本当に悩ましく、労働者側につけば企業法務ではないのに、同じ事件で企業側につけば企業法務になるというのはものすごく違和感があります。しかし、企業顧問をしているからこそ労働問題を日常的に扱うことになります。私の新人時代のボス弁は、顧問先企業からの依頼しか受けなかったのですが、街弁を自称していました。ボス弁は大規模事務所出身で、企業法務とはチームプレイが必要になるデュー・デリジェンスなどの業務だけを指すのだそうです。弁護士らしい視点だなと思いました。私は上場企業で法務部員をしていましたが、群を抜いて業務量が多いのは契約書の添削でした。そのため、契約書の添削を企業法務から除外するべきではないと考えています。いずれにせよ、企業が依頼者だから企業法務ということには違和感があります。
自分でも意味がわからない言葉を使うべきではないと思いました。
2026年6月4日
4月に、私のホームグラウンドである法曹親和会系二次団体二一会にも新人が入ってきました。新人は、先輩たちにどんな仕事をしているのか興味津々で聞いていて、私も知らなかった先輩たちの仕事内容が明らかとなりました。中小企業法務ばかりじゃん。類は友を呼ぶことがよくわかりました。
弁護士会は中小企業への伴走支援に力を入れています。
ところが、お題目としては企業再生を、実態としては顧問弁護士がいない中小企業向けの相談窓口の設置を推進しています。再生ってことはもう転んでるじゃん。弁護士に依頼するってことはもう転びかかってるじゃん。伴走じゃないじゃん。というのが私の意見。
私は企業にがっつり食い込み、あらゆる相談を早期に受けることで、転ばせません。裁判沙汰への発展を未然に防ぎます。そのうえで、大好物の新規事業立ち上げを楽しんでいます。それが伴走支援だと思うのです。
昨晩は二一会研究部で、取適法・フリーランス新法の研究方針を話し合いました。一般論として弁護士は取適法に詳しくないというのが共通理解でした。え?私は日常的に使ってるんですけれども?
懇親会では、労働法に詳しいという触れ込みで新人研修の講師をしていた弁護士が実は労働事件をそんなに扱っているわけではないことも発覚しました。え?私の日常は労働に埋め尽くされているんですけれども?
取適法というのはガバナンスの問題です。裁判に発展することは稀です。労働も、事案のほとんどは裁判に発展せずに終わります。どちらも裁判は氷山の一角という分野。だからいつも暗く冷たい深海に潜って死にかかっている私にとっては頻出分野なんだね。伴走支援とは死ぬことと見つけたり。
企業の仕事してれば業法や労働法は必修科目だよね、弁護士ならばすべからく(当然のこととして)嗜んでいるよね、ということは全く無く、これらの分野が私の差別化要素なのだとわかって、とても良い気分です。
元ボスは企業間の争いの解決ばかりしていましたが、それが一般的な企業法務なのだと思います。元ボス自身は、企業法務とはチームで取り組まなければならないM&A支援などの大型プロジェクトだけだと話していましたが、企業法務にはいろいろな形があるということです。企業の日常に食い込む私は独自ポジションを築けたと満足しています。
駄目だな。最近、弁護士と話すと、学びよりも自信を得てしまう。やっぱりそろそろフィールドを移さないと成長が止まってしまう。昔FSSを読んでいて、ヒュートランを見た時、これわしやん、と思ったものです。
2026年6月18日
若手中心の勉強会に参加してくださる大ベテランの先輩がいらっしゃるのですが、向学心を失わない大ベテランのお話は本当に勉強になります。
取適法で交渉プロセス規制が入りましたが、先輩は、どうすれば誠実に協議(交渉)を行ったかの認定については過去の労使交渉の議論がそのまま妥当しそうだとおっしゃいました。
これなんですよ。今や労使交渉は下火となり、私もたまにユニオンと戦うくらいですが、過去に最前線で戦われた先輩は、今の最前線に流用できるノウハウを身に着けていらっしゃるのです。
法律が変わっても社会の本質とそれを背景とした弁護士の使命(基本的人権の擁護と社会正義の実現)は変わらないわけで、綺麗事に思われるかも知れませんが、その視点を失わなければ時代を超えて通用するのです。だから基礎をしっかりやれと。企業法務だって泥臭いんだぞと。モームリだとか国際ロマンス詐欺救済詐欺だとか、あやしいビジネスに手を出す弁護士は弁護士としての基礎がなっていないのです。
モチベーションが下がってきたところだったのですが、大先輩のお陰で持ち直せました。
2026年7月2日
弁護士は人によって業態がバラバラなので、どんな仕事をしていると開示し合うことが多々あるのですが、未だに自分の仕事がわかりません。
企業相手に法務サービスを提供しているので、企業法務と呼んで差し支えないカテゴリーだとは思います。しかし、法務コンサルタント的な働きは多いものの、いわゆる大手渉外法律事務所が提供している、大きな仕事にチームプレイで立ち向かう、ということは一切発生しません。昔、元ボスが、企業法務というのはチームプレイが必要なる分野だけを言うのだと話していた理由がよくわかります。
私が今になってようやく理解できた元ボスの定義に従えば、私の仕事は企業法務ではありません。私は弁護士ではないのだと今更ながら気づいてしまいました。
今日は、
複雑な登記申請についての法的解説(司法書士の先生が回答に困っていたので助け舟)(単発)
グループ再編に向けた個人情報取扱体制の構築支援(継続)
海外企業買収時における買収対象企業役員との合意可能範囲の検討(新規)
AI研修の準備(会派夏合宿の準備は終えたので、その翌週の企業主催研修の方)
という一日で、とても珍しいことに契約書添削をしませんでした(重めの契約書添削依頼が来たのですが、納期が来週だったので、今日は着手しませんでした)。
私みたいななんでも(商業登記からクロスボーダーM&Aまで)相談できる人間が必要とされているから私は仕事に困らないのですが、それを提供している弁護士が他にいないというのは日弁連の怠慢だと思うよ。ちゃんと伴走支援に力入れようよ(他力本願)。
私のように単独でなんでも現場対応できる弁護士は少ないと思います。もっとも、人間は万能たり得ず、私は現場対応に特化したことと引き換えに、裁判所での手続に不慣れですから、自分が優れているとは思いません。そのため、訴訟になりそうな案件は、事前に友人に相談して、いざとなったら引き取ってもらえるように備えています。今のところ全案件を消火できているので、相談した友人の仕事に発展せず、不義理となってしまっています。
元ボスは、顧問先からの相談ならばなんでも引き受けるために弁護士会内でコネクションを構築する、というスタンスでした。元ボスや私が構築しているコネクションに代替する機能を弁護士会が提供するという方法もあると思うのです。弁護士会内のチームプレイでどのような案件にも対応できる体制の構築は、私が相続対策分野で試みている手法でもあります。私を知っている人は知っているはずだけれど、私は弁護士会のために色々頑張っているんだよ。だから日弁連にも、真面目に伴走支援を考えろと要求してしまうんだよ。大手渉外ではないから大型案件は扱えない、さりとて私のようにフットワークよく小型案件を捌くことも嫌、できることといえば事業再生という名の任意整理と債権回収だけ、それで伴走支援などとかたわらいたし(いたたまれない)。もっと真剣に中小企業の需要に寄り添おうぜ。
2026年10月13日
スタートアップというには実績も図体も大きな(ニッチ分野のリーダー的な)企業の経営合宿に参加しました。
この企業に限らず、日本企業の多くは管理体制がめちゃくちゃです。
別の取引先に、結構メジャーな分野の帝王的ポジションでプライム上場して久しい30社くらいの企業グループがあるのですが、こちらもめちゃくちゃです。このグループとの関わりは面白くって、当初、子会社の一つと御縁があって、その管理体制を整備していたら、親会社に紹介されました。子会社は規模が小さいので、わずかでも問題があればすぐに私が改修しますから、今では絵に書いたような優良企業だと自負しています。ところが、親会社は図体が大きいので、できることからコツコツと、何年もかけて、少しずつ改善している最中です。地味な仕事で気分が滅入ることも多いのですが、見方を変えれば、プロジェクト型なのに壮大すぎて長期の安定収入になるし、名が通った企業の上流改修だから完遂すれば実績になるし、美味しい仕事です。
冒頭の、経営合宿に参加した企業は、この親子会社の中間の規模です。まだ間に合う、正確には、既に手遅れだが、件の親会社よりは改善の手をつけやすい、という状況です。
経営合宿では、オーナーの理念を共有したうえで、人事評価制度の改修方針など、具体的な話もできたので、私は満足しています。しかし、経営合宿に参加されていた経営アドバイザーの方には、経営合宿とは上流の戦略について話す場なのに、具体的な改善策の話になって、それは違うと思う、という感想をいただきました。理想論としてはその通りだと思います。
私は大小さまざまな複数企業の内情を知っていますから、完成された企業では、経営陣が戦略を定めると、下がそれを具体化してくれる環境になることを知っています。実際に、私は経営直下のポジションにいたので、経営戦略を伝えられたら、それをプランニングして、実行の許可を取って、下流にお触れを出すとともに実行支援をする、という仕事をしていました。
私は、経営合宿の参加メンバー(幹部)に、かつての私になれるように指導するフェーズなのだと捉えています。当初から理想の形に固執すると、実行されないのは経営者の理念が現場に伝わっていないからだと朝礼を欠かさないようにしよう、というブラック企業まっしぐらです。理念を実現するためにはスキルが必要で、スキルがないから実行されないところに理念を注入しても、誰も幸せになりません。だから、まずは経営直下を鍛えるべきです。
鍛える方針についても、その後の懇親会で大きなヒントをもらえました。経営層は、皆、若い頃に、どこかのタイミングで意識改革がなされて、経営層に求められるとともに経営層が求めるマインドを身に着けていました。ある人は、入社した企業が理想と全く異なることへの絶望、ある人は、なんとなく起業することになって人にお給料を払うことの責任の重大さを感じた瞬間、から意識が変わったと話していました。私の場合、回り道をしていたので司法試験合格が遅く(30歳)、社会人経験が乏しいのに、33歳で企業に入ったら期待が大きく巨大な権限を与えられて追い込まれたことがきっかけでした。怖くて評論家になってしまっていたところを、オーナーから怒鳴りつけていただいて、意識改革が起こりました。自力覚醒できなかった私は、だから経営者になれないのだなとも思いました。
ショック療法はリスクが有るので、各自の職責を日常のワークフローの中で自覚させる仕組みの導入を提案しました。これから少し時間をかけて、その仕組みの導入支援をしていくつもりです。ただ、仕組みもやりすぎると、Amazon倉庫の非人道的な管理(そこにフィットした人材にはやりがいがある環境なので悪いとは思いませんが)になるので、他社で実施例が多い、信頼できる仕組みを提案していこうと考えています。
弁護士らしくないどころか法務ですらない。法務もちゃんとやりますけどね。
2026年9月3日
私は法務領域に特化した人材紹介会社とお付き合いが深い(持ち込み企画(法務部員養成事業)に協力してもらっている)ので、業界動向の情報が自然と入ってくるのですが、年々、インハウスの人気が高まっています。
私は弁護士として携わる企業法務のことはよくわからないのですが、法務部員が携わる企業法務のことはよく知っていますので、参考までに、法務部員の必須法律をお伝えしたいと思います。
民法
これがないとお話になりません。
会社法
いわゆる機関法務も絶対に使います。
労働法・取適法・フリーランス新法
私は複数企業でゴミ箱(トラブルを放り込む先)をしているので、仕事の3割以上が労働関係です。最近は、働き方が多様化しているので、雇用なんだか準委任なんだかよくわからない契約をよく扱います。労働と下請けの境界が曖昧になっているので、これらは同じ分類にした方が良いと思います。
個人情報保護法
3年毎に見直される恐ろしい法律です。会社法と労働と個人情報は、それだけの専門家でも食べていけると思います。
景品表示法
私の仕事の5~10%を占めているイメージ。無視できない確率で発生するので、必須科目です。
この他、業法も重要です。私の場合、宅建業法や職業安定法もよく使うのですが、選択科目の位置づけだと思います。
インハウスになりたい司法試験受験生は黙って労働法を選択しろってことですね。労働法は労働者側からも使えるので、腐りません。私は知財法選択でしたが、そこそこ使うが頻出ではないので、おすすめはしません。
そんなことよりも、一番問いかけたいのは、せっかく弁護士になるのにインハウスでええんか?異議あり!とかやりたくないんか?私はたまにやりたくなります。企業法務にキラキライメージを抱くんじゃないよ!訴訟なんて氷山の一角で企業法務はクソみたいなトラブルまみれなんだから。
人材紹介会社などが公開している職種ごとの平均給与を見ると、法務部員は結構良いポジションにつけています。それはストレスが溜まるからです。
法務部員は売上を作らないので会社にとって優先順位が低いポジションです。しかし企業規模が大きくなるとどうしても必要になってくる。だから仕方なく雇う。必然的に企業規模が大きな会社にしか法務部員は存在しないのですが、企業規模が大きければトラブルの発生件数も多く、それを少数の法務部員が処理します。だからストレスが溜まるし、だから良いお給料を貰えるのです。
私は元々組織の内部で仕事がしたかったのでインハウスっぽい業態に落ち着いていますが、弁護士はストレスが溜まるから法務部員になりたいという考えをしてしまう若者も多いようで、そのことには警鐘を鳴らしたい。ポジティブ(今できないことをしたい)な転職理由ならばウェルカムですが、ネガティブ(今から逃げ出したい)な転職理由では失敗するよ!
2026年10月8日
私は現在、複数の企業で、法務部のお手伝いをしたり、新規事業立ち上げのお手伝いをしたり、トラブルシューターをしたり、広告や集客のお手伝いをしたり、なんだかよくわからない働き方をしておるわけですが、そのきっかけは、ある友人の自己紹介と新型コロナ禍にありました。その友人の、半分サラリーマン半分弁護士をしているという自己紹介が、その後、私を職業不詳に変えました。2021年ころまでは不動産弁護士だったんやで。
不動産弁護士からの転身を図り、どこか都合よく働かせてくれる企業はないものかと探していた2020年ころに、ある企業が、フルタイムで来てくれと熱心に誘ってくれました。その企業の本業はマンツーマンの英会話レッスンなので、私は英語がダメだから御社では戦力外だよとお断りしていたら、「この先AIが普及して、スマホがあれば語学は不要の時代が来る。そのときに備えて新規事業を立ち上げられる人材が欲しい。」と言ってくれました。
私には開業当初からお世話になり続けている顧問先もあるわけで、フルタイムは無理だとお断りしたのですが、今は、当時言われた通りの時代になりました。
今日も、外国企業に対してソフトウェアライセンスを付与する契約書を扱っていましたが、日本語で作成してDeepL様にお願いすれば良いので楽なものです。もちろん、魔法の呪文「日本語版を正とする」を忘れずに、英語版でも、同条項の翻訳だけは厳しくチェックします。
私はバリバリのドメスティック弁護士なのに、実は結構クロスボーダー案件の取扱い頻度が高いのです(^o^;)
2025年10月22日
これまで数千種類の契約書を見てきたので、私以上に経験値を積んだ契約書添削者はそうそういないはずなのですが、今日は続けざまに未知の添削(オーダー)と2つ出くわしました。
まずは支払いサイトの変更です。
原契約が「請求書を受け取ってから30日以内」、オーダーは「納品日基準で20日締め翌月10日払い」に変更する覚書の作成でした。
納品日基準で20日締め10日払いとしつつ、請求書に記載された金額を支払う、というだけの単純な話なのですが、契約書の文言にしようとすると結構苦戦しました。思い返すとこれまで扱ってきたのは請求書を受け取ってからパターンと、末締めパターンばかりでした。20日締めになかなか対応できず、私の国語力もまだまだだなと反省しました。苦しみぬいた成果を備忘として残しておきます。おそらくもっとスマートな書きぶりがあるのですが、現時点での私はこんなものだよという戒めの意味もあります。
「支払いは毎月20日締め翌月10日払いとし、甲は、当月20日までに納品された商品に係る売買代金については翌月10日までに、当月21日以降に納品された商品に係る売買代金については翌々月10日までに、前項の請求書に記載される売買代金に消費税及び地方消費税相当額を加算し、乙の指定する銀行口座に振込手数料負担の上、振込にて支払うものとする。」
2025年10月23日
「前月21日から当月20日までに納品された」とすれば、少し短縮できましたね。後の祭りですが、もし次があればよりスマートな(短い)修正ができるはずです。私はこういう地味な積み重ねが好きなのです。なお、この条項の前に、請求書を末締めで作成するという条項があり、クライアントの業務フロー上これを残したいので、わけわからん日本語になっています。作成に比べれば添削は楽、という認識でしたが、例外的に作成の方が楽な場面でした。
続いて契約書ひな形の当事者の変更です。
私のクライアントは企業に向けてサービス提供をしているのですが、まるで弁護士事務所のような法人成りしていない寄り合い所帯との契約で、今回は組織のボス(屋号を使える人)ではない人が連名で発注者になるから、屋号での契約書はやめてくれ、というひな形変更のオーダーを受けました。
連名での契約ってどういうこと?というところから民法改正を学び直しました。その結果、受注者としては連名のどちらにも報酬が請求できるし、何かあったら解除も簡単と、有利になることがわかりました。
こちらの修正は簡単で、前文で、「甲1、甲2、以下総称して甲という」、特約で「甲1および甲2は共同して契約上の権利を行使し、連帯して契約上の義務を負う」としました。
15年この世界でご飯を食べていても、日に2回も初めてに遭遇するのですから、飽きやすい私でも続けられるわけだと改めて感じました。心の中の抜刀斎と日々激闘を繰り広げながらも、働きやすいぬるま湯に浸かっているのだと自覚できました。転職(就職)意欲はないのですが、現状でも成長できているという確認作業をこまめに行わないと、私はふらっと放浪を始めてしまうのです。私は学問は他流試合だという恩師の言葉に呪われているのです。働きたくないでござる。
2025年10月26日
テレビを見ていたら、労働事件における弁明の機会の付与について、気になるコメントが2つ出てきました。
別件での呼び出しで不意打ち的に聞かれても効果的な弁明はできない!
弁明の機会の付与の直後に処分発表だから処分は事前に決まっていた!
使用者側弁護士といっても、従業員から訴えられました、という段階から登場する場合もあると思います。私の場合は、どんなことでもできるだけ早くに情報を上げるようクライアントにお願いしていて、それができる距離感を作ろうとしていますから、調査段階からが仕事になります。
私が労働事件について調査する場合、弁明の機会の付与にはとても気を使います。被害者の迅速な救済、二次被害の防止、正確な事実確認、証拠保全、調査対象の不安定な地位からの早期解放、調査対象への手続保障、など、考慮すべき、ではなく、考慮しなければならないことが無数にあるからです。
私の場合は客観証拠の保全を最優先に考えるようにしています。幸いにして、現代社会では、メールの送受信履歴、貸与スマホの通話履歴、防犯カメラ映像など、デジタルフォレンジックによってかなりの解像度で事案が見えてきます。これに加えて、被害申告者や周囲の人間からのヒアリング報告書も作成してもらいます。この際には、調査の情報が漏れないことを第一にヒアリング対象を人選します。
本人以外から得られる情報をすべて集めてから、ある程度の処分方針を定めたうえで、本人側から事情を聞き取ります。それが弁明の機会の付与です。
ところが、経験上、事前に弁明の機会を付与するというと、当日になって急病などの理由をつけて逃げられることがあります。逃さないため、強制的に弁明の機会を付与するために、不意打ちをしています。不意打ちと言っても勤務時間内なので、調査に応じる義務があります。
すでに証拠保全は終えていますから、証拠隠滅や口裏を合わせられる恐れはありません。どうぞ、弁明の機会を思う存分堪能してください、という状況です。そこまで準備していれば、よほどのことがない限り、弁明を受けて処分方針が変わることはありません。動機や反省の程度を見極めることにして、軽い場合の処分はこちら、重い場合の処分はこちら、という用意をすることはありますが、それも含めて方針自体が動くことはほぼありません。
私の経験上、すぐに反省して全面降伏する人が大半です。
たまに根っからの悪い奴がいて、平気で嘘をつきます。それは証拠に反すると突きつけてやると、不合理な言い訳をはじめます。不合理な言い訳への対処は簡単です。「では、どのような事実に対してはどのような説明をしたと記録に残しますね」と確認すれば良い。ここで大抵の悪人は降伏します。論破が目的ではありません。あくまでも弁明の機会を付与しているのです。付与された弁明の機会をどう使おうが知ったことではありません。
知恵が回る、悪事に慣れている悪人は、混乱しているから考えさせてくれと返してきます。そうなれば「では日を改めましょう。弁護士同伴でも構いません。書面にまとめて提出してくれても構いません。」と伝えます。既に証拠は保全しているので、メール削除などの証拠隠滅や口裏合わせをされても処分が困難になることはありません。むしろ、証拠隠滅行為は処分を重くする方向に働きます。2週間経って、弁護士に相談中だというだけの書面が出てくることがありますが、その場合は「弁護士に相談するための十分な時間を与えたにもかかわらず、いまだ弁護士に相談中だとするのみでなんら弁明はなされていない」という評価をするだけです。
どうあがいたって詰みという状況を作り出してから、存分に弁明してもらうことが私のスタイルです。それでも、私はまだ遭遇したことがありませんが、誰かに脅されていたなどの事情が発覚すれば、方針を考え直すことになりますから、無駄な手続ではありません。
まれに、余罪をゲロってくることがあります。その場合はこちらも大混乱です。結果としては想定していた方針よりも処分が重くなりますが、自白した事実を尊重して、罪状よりは軽い処分を検討することにしています。素直にこちらが把握していないことを自白してくれれば、処分は軽くなります。なにやら最近の刑事弁護は全部不同意の戦闘態勢が基本らしいのですが、幅広い人生経験を積んで少しでも裁く側を経験していれば、それがどれほど心証を悪くするか理解できるはずです。
私の場合の冒頭のコメントへの回答は次のとおりです。
別件での呼び出しで不意打ち的に聞かれても効果的な弁明はできない!
→調べる側にとっては逃げられないことが重要で、不意打ちによる混乱の中で特定の結論に誘導する意図はありません。既に証拠は固めていますから、弁護士への相談も大歓迎です。
弁明の機会の付与の直後に処分発表だから処分は事前に決まっていた!
→それはありません。事前に処分を決めていなくても、きちんと方針を決めていれば、直後の処分は可能です。そして、方針を決めておかなければ何を聞けば良いかもわかりません。
2025年10月28日
なんか読み返してちょっと追記しましたが、刑事事件で学んだ思考構造が活かされていますね。もっとも、私は複数企業の労働案件をまとめて担当していますから件数が多いだけで、組織に所属するならば取扱件数は少なくなるべきですから、企業法務における刑法の優先順位は低いとは思っています。
2026年10月6日
いつもいつも労働事件は嫌だと訴えているのに、それでも労働事件はやってきます。
私はいつも、弁護士仲間を見ていて「こいつらあたおかやな。勉強のしすぎでぶっ壊れてもうたんやろな。こわいなあ。」と感じています。私も同じ穴の狢だという自覚もあります。世の中は本当に生きづらい。
ところが、労働事件を強いられていると、「こいつマジモンのあたおかや!」と思わせる奇人変人に次々と出くわします。
私は心優しいので、労働紛争を発展させたくない一心で、激甘処分を進言する傾向にあります。
激甘処分でも心を入れ替える人間は実在します。この若者は、他のあたおかどもとは手続のはじめっから違いました。弁明の機会を付与した際にも、ガッチガチに緊張していて、その反省がビシビシ伝わってきました。今は大活躍しており、その活躍を見る度に、処分に関わった身として嬉しくなります。
私は心優しいので激甘処分を進言しますが、経験上、多くのあたおかが、激甘処分から誤ったメッセージを受け取って、ふてくさったり会社を舐めてかかったりしてきます。してやったりです。今後の改善に期待して軽い処分に留めたにもかかわらず改善されないばかりか悪化している、として、次は重い処分を下せます。厳重注意は厳重注意です。会社は指導記録を残しています。指導記録の蓄積は会社を有利にしていきます。私が激甘処分を進言するのは労働紛争を発展させたくない一心いうたやろ。我々使用者側弁護士は常に不利な戦いを強いられます。それでも勝つためには狡猾さが必要なのです。
2026年8月6日
セカンドオピニオンをきっかけに集客を企む弁護士が多いようです。まあ、食えない弁護士が食えている弁護士から客を奪うための手段ですな。ろくなもんじゃない。
私がセカンドオピニオンを求められたら、徹底して現在の弁護士の援護射撃をします。私と異なる方針であっても、無理くり現在の弁護士の方針を正当化するであろう事情を推察して、「こういう可能性がありますから、先生の方針も正しいですよ。良い先生にお願いされていて安心しました。」といってお帰り願います。
だって、セカンドオピニオンを求めてくるような不躾な相談者がまともな依頼者であるわけがないもの。どうせ求める回答を引き出すために隠し事をしているんだもの。なんで見えている地雷を踏みに行かなければいけないの?
私が抱えている案件について、他の弁護士にセカンドオピニオンを求めたと言われることもたまにあります。多くの場合、他の弁護士にも相談したら同じことを言っていた、と言われて、お互い様なんやなあ、と感じることになります。ただ、「不安な思いをさせて申し訳ない。私を信用できないならば、おっしゃってくだされば、いつでも降りますよ。いただいている着手金もお返しします。せこいと言われることの方が嫌ですから。」とは伝えます。まあ険悪なムードにはなります。信頼していないと告げられたわけだから当然ですな。
稀に、別の弁護士はどう言っていた、と言われることがあります。そんなときはこんなやり取りになります。
「わかりました。ではその先生にお願いしてください。もちろん着手金はお返しします。」
「そういうつもりで言ったわけじゃ。」
「私の方針が気に入らないから他の弁護士にセカンドオピニオンを求めて、その弁護士は考えにあう方針を示してくれた。だったら弁護士を変えることが一番でしょう。私も不満を抱かれながら仕事をしたくはないんです。安心してください。私が事件を放り出した、次の弁護士を邪魔した、などの因縁をつけられたくないですから、私が作成した資料は全てお持ちいただいて結構。常識の範囲で次の弁護士への引き継ぎもしますよ。私にタダ働きさせるのは貴方だ。損はさせません。こっちは損切りのつもりで文句を言われる筋合いは全くないところまできちんと持っていきますから安心してください。利害は一致しています。」
「申し訳ございません。先生に不満は全くございません。なんとか引き続きお願いいたします。」
結局、私の方針よりも安易な解決策に持ち込みたい、それで失敗しても私の責任にしたい、そんなことを企んでいるだけなんです。相談者には、ちょろい馬鹿を都合良いセカンドオピニオンに誘導した自覚があるんです。
私に限らず多くの弁護士が常にベストを尽くしています。不得手な分野を受任するならば、他の弁護士に相談したり、紹介したり、共同受任したり、手を尽くすんです。独りよがりかもしれない自分の結論と心中するつもりはないので、他の弁護士ならばどうするかも考えて決めているんです。一人で仕事をしているようで一人で仕事をしていない。それが、きちんとネットワークを構築している弁護士の仕事なんです。
それを否定したって構いません。お客様の人生ですからお客様が決めるべきだ。ただ、弁護士稼業っていうのは信頼関係が重要だし、こっちもプロですから、お客様自身が気づいていない情報まで集めて戦略を練っているんです。本気でセカンドオピニオンを作成するにはものすごく時間も労力もかかります。気軽にセカンドオピニオンを出せるのは、私のように見えている地雷を避けることしか考えていない弁護士か、他人の仕事を奪いたい無能で下品な弁護士だけです。その結果、セカンドオピニオンが、私がネットワークを駆使しながらこしらえた結論と異なるならば、セカンドオピニオンが間違っている可能性が高いのです。それに引きずられてやる必要はありません。だから私が意見を変えることは絶対にありません。無駄なんですよ。むしろ有害なんです。
私は、若い頃、人生の先輩たちから、明日に回せる仕事は明日に回せ、それが長続きする秘訣だと教えられていました。
騙されないぞ、うっかり信じでサボってしまったら酷い目に合うんだ、私をちょろいと侮っていてもそうはいかないぞ、そんなことを考えて従いませんでしたが、今から振り返ると、先輩たちが揃って心配になるくらい、私は必死だったのだと思います。しかし、それで良かったのだと思います。
若いうちは無理がききます。徹夜したところで翌日もなんとか踏ん張れます。年を取っても無理することはできますが、無理がたたって倒れます。一晩の徹夜が、翌日どころか翌々日にまで響きます。トータルではマイナスです。だから年を取った今は、無理をしないようになり、明日に回せる仕事は明日に回すようにしました。
明日に回せる仕事を選別するためには、工数見積と仕事の優先順位付けの能力が必要です。工数見積は場数を踏めば自然と身につきますが、私は不器用なので、仕事の優先順位付けは、限界を超えた業務量の中でしか身に付けられませんでした。仕事の優先順付けだけでなく、限界を超えた業務量を無理矢理こなす中でしか身につかないスキルは沢山あります。筋肉と同じで、自分を痛めつけると爆発的に能力が伸びると私は経験しています。
ワーク・ライフ・バランスを重視する若者を見ると、頑張れる時期に頑張らないと力を爆発的に伸ばせないし、その結果、優先順位付けができないまま無理ができなくなればどうにもならんぞ、と、とても心配になります。もっとも、自分たちはいつまでも下にいて、仕事は上が適切に配分すれば良いと考えているのでしょう。
逆に、昔の私のように周囲が心配になるほど頑張っている若者には、頑張れるのは若者の特権で、年を取ってから頑張ると死ぬ、具体的には数日動けなくなる、だから今のうちに死ぬまで頑張れ、死なないから心配するな、と応援したくなります。本当は口に出して励ましてあげたいのですが、それを口にした後に過労死でもされたら共犯扱いになるので、実行はしません。頑張れと言えない世の中を作り出した人たちは満足しているのでしょうか。
年齢相応のペース配分があり、それを実現するスキルを身につけるためにも若いうちは死ぬまで頑張るべきだと思うのですが、時代遅れなのでしょうか。頑張らずに老いた自分を経験していないので、答えが出せずにいます。
アイドル、カフェのマスター、プロゲーマー、いつの時代もやりたいことを仕事にしている人は憧れの対象です。本当にうらやましいと思います。ならば目指せと言われてしまいますが、それはできません。なぜなら、私にはやりたいことがないからです。働きたくないでござる。
残念ながら私は富豪ではないので働かなければ生きていけません。働きたくないにもかかわらず働かなければならないので、嫌で嫌で仕方がない労働の苦痛を緩和し、さらに楽しむための方法を考えてきました。
私の人生に大きな影響を与えた、プリンセスメーカーというゲームがあります。エヴァンゲリオンで有名なガイナックスが製作した世界初の育成シミュレーションゲームです。魔王を倒した勇者が孤児を養女にして立派に育て上げるという内容なのですが、私はこのゲームに向いていたようで、ほぼ初回プレイで隠しエンディングに到達しました。
Aというパラメーターを上げるとBが下がる、Bというパラメーターを上げるとCが下がる、Cは上がりにくいがAにもBにも影響を与えない。その条件で将来の最強を目指すならば、まずAを限界まで上げて、次にBを0の状態から限界まで上げて、最後にCを上げられるだけ上げれば良いのです。簡単でしょ。
しかし、現実でこれをしてしまうと、Aを上げている最中にはBにおいて社会不適合となり、Bを上げている最中にもCという欠陥があるという、苦難の人生となります。
知ったことか。私はロールプレイングゲームをするにも過剰なレベリングをしてからボスに挑む男です。今の困難も単調な作業も、未来への投資になるならばいくらでも受け入れます。
高校時代に鋭い友人がいて「柿沼君は将来のことばかり考えているからいつも楽しくないでしょ」と言われました。私を気遣っての言葉であり、本当に感謝しているし、それができる優しさと観察力を尊敬しており、その時はかけられた言葉に悩みました。しかし、その後、悟りました。今の悟りをもって当時に戻れるならば「そんなことはないよ、レベリングを楽しんでいるのだから」と答えて友人に安心してもらいます。
私がやりたいことはレベリングです。セルフ育成です。目標はありませんし、なさなければならぬ使命も背負っていないので、誰と比較するわけでもなく、昨日の自分よりも今日の自分、今日の自分よりも明日の自分の方が優れていれば、それで満足できます。つい最近まで意識せずにいたのですが、私は、学生時代はもとより、社会に出てからも、自分が成長できる場所にいるかどうかのみを考えて生きてきました。
意識できたのは30代後半に独立してからです。当時は生きることに精一杯ながらも、働きたくないので、できるだけやりたくない仕事を避けようと考えました。自分がやりたくない仕事とは何かを考えたときに、成長できない仕事だとわかりました。よほど儲かるならば成長できない仕事でも受けますが、成長できる仕事ならば、割が悪くとも喜んで受けます。働きたくはないでござるが、リアルでプリンセスメーカーができるならば楽しいでござる。
40を過ぎたころから、相変わらずレベリングに興じながらも、不自由なく暮らせる稼ぎを得られるようになってきました。強くなるに応じてより難度が高いダンジョンで鍛えるようになった結果です。
いつの間にか、私もプロゲーマーになれていました。
2026年5月26日
人間、真面目に生きていれば、加齢と引き換えに経験も社会的地位も積みあがっていくわけで、周囲の話題も「目の前の仕事をどうする?」から「事務所の将来をどうする?」に変遷してきました。なんということでしょう。長年付き合ってきた友人たちとの飲み会が、もはや老人会のようです。周囲はアラフィフからアラカンでまだまだ体は元気なのですが、体よりも心の方が老いが早いことがよくわかります。ダメじゃん。
私も一応、事務所の将来のことを真剣に考えています。具体的には職務経歴書を充実させることです。どこの会社でどんな案件手掛けたよ。どこの組織でどんな役職務めたよ(会派は親睦団体なのでカウント外)。どんな分野の本を書いたよ。どんなセミナーの講師をしたよ。それが自然と積みあがる業態なので、私の市場価値は日々高まっている実感があります。一人事務所なので、私個人の市場価値イコール事務所の将来です。ですから私の事務所の将来は安泰です。
ただ寂しい。いい加減に人を雇って業界に恩返ししろと迫られることが多いですが、私が求める人材を見つけることはできません。裁判ができる弁護士は見つけられても、裁判を避けられる弁護士はなかなか見つかりません。不祥事を告発して是正できる弁護士は見つけられても、耳目を集めてしまう前に封印できる弁護士はなかなか見つかりません。私以外にもできる人間はいるとは思います。しかし、表に出せない仕事は表に出せないので、私を含めた誰も自分以外を見つける術を持ちません。しかも、人を雇うことの弊害もありうるところです。私の仕事は、上の段落で見たような表の仕事と、この段落で触れている裏の仕事の表裏から構成されます。探しやすいのは表の仕事ができる弁護士です。それを雇ってしまったが最後、比較優位の原則から、私はどっぷり裏社会の人間になります。そうなれば職務経歴書は充実せず、安泰となったはずの事務所の将来が吹き飛びます。具体的には、雇って実績を積ませた人材に独立されたら終了です。
レガシーは残せそうですが、サクセサーが欲しい。そう思うのは自然な流れなのですが、それにともない、自分の成長よりも後進を育てることへの関心が高くなっており、深刻な老いを感じます。もしかしたら私は成長限界に到達しつつあるのかも知れません。それはとても悔しく受け入れがたいので、限界突破のために新しいことにチャレンジしなければ、という焦燥感に駆られています。そこまでは良いのですが、私の人生を何度も台無しにしてきたリセット願望にも襲われています。先が見えてくると急激に飽きるこの現象を、信長の野望クリアできない症候群と名付けたいと思います。どこまでいっても私は自分の人生をゲームのようにしか捉えられません。これが独身を脱せない一番の理由なのだと思います。家族を作れる人は上々の現状捨てたい瞬間に惑わされないのだと思います。ブレイクスルーしちゃだめなんだよ。
2026年9月12日
常々お伝えしているように私の根本はマーケ屋なのですが、具体的にそれが何を意味するのか説明したいと思います。
私の大学院修士論文は自動車市場を分析する産学連携研究で、私はアンケート項目の決定から関与できました。市場はどんな車を求めているか、を、個々人のアンケート結果から抽出することが目的でした。
アンケート結果をお手製プログラムで機械学習させるという、2002年当時は先進的だった手法を用いており、機械学習というのは、現在でいうAIの根幹をなす技術です。だから私はAI研修の講師を年中任されます。有象無象がなんら裏付けがないのにAI専門家を自称し、自称専門家同士が相互コピペでエコーチェンバーを起こし、尤もらしさを深める中で、私だけが正確さを追求するAI研修を実現できると自負しています。
AIを含む機械学習において最も重要なことは、現実を余すところなく拾い上げている学習データを用意することです。アンケートならば、アンケート項目の選択と集中、アンケート対象の選択と収集、が学習データの質を決めます。現実を余すことなく拾い上げることだけを考えると、アンケート項目は多ければ多いほど良いのですが、多すぎると回答者がダレます。だから選択と集中です。アンケート対象は、誠実に回答してくれる、かといって堅物ばかりではなく市場を再現する分布をなす集団である必要があります。回答者の質を保ったうえで量は多ければ多いほどよい。だから選択と収集です。
選択と集中と選択と収集などという言葉遊びも、読み手に意味を深く理解させる効果を求めるうえで重要になります。我々マーケ屋が分析モデルに格好良い名前をつけたがるのはそのためなのですが、理解が浅いコンサルタントどもの手にかかると、え、この言葉も知らないんですか?というマウンティングの道具に貶められてしまうことが嘆かわしい。
自動車市場の分析では、私は、個性的かそうでないか、の尺度に加えて、目立つか目立たないか、のアンケート項目を提案して採用してもらいました。残念ながら有意な結果は得られなったのですが、私が、目立ちたくはないが人と違うほうが面白い、個性的だが目立たない、を求めるので、私のような人種を探り当てるための項目でした。
はい。本日のお題は回収しました。マーケ屋とは、具体的には、市場にどのような人種がいるのかを探りあてることを生業にしているのです。
私は新規事業立ち上げを生業にしています。そこではマーケ屋のスキルと法律家のスキルの両方を用いています。
どの市場にはどんなユーザーがいると思うから(仮説)(マーケ)
それがどのくらいいるかこうやって探してみて(調査)(マーケ)
たくさんいるようならこんな商品・サービスがウケるだろうし(分析)(マーケ)
それはどのような法律構成で実現できて(構築)(法律)
どのように広告すれば訴求できるうえに法的リスクもないよ(実行)(マーケ・法律)
というのが私の提供メニューです。マーケ屋時代は、法律家なんて何も生み出せないと思っていたのですが、法律家になってみると、マーケ屋は何も実現できないと思います。経済と法律は社会の両輪とはよく言ったものです。
マーケ屋と法律家に共通するのはロジカルシンキングです。ロジカルシンキングができれば、AIにどの作業を指示すればよいのかが明確になり、指示が明確化されればAIは真価を発揮してくれます。だから私はマーケ屋としてお手製AIを組んでいたのであり、今も業務にAIを役立てているのです。
2026年9月17日
今日も今日とて取引先A社の従業員のゴーストライターとして、ややこしい取引先(私の取引先の取引先)B社に対するメール案を作成しました。
B社がやらかしたのでA社が契約を解除したら、B社から、反省を訴えつつも契約書のどの文言に違反したのか詳しく説明してくれと求めてきたので、とても詳しく説明してやりました。
どう考えてもA社に理がある案件だったので、A社からは、そんなに詳しく説明してあげる必要があるのですか、と聞かれました。
「あのな。このメールを読むのは誰やと思う?B社ちゃうで。B社が相談した弁護士や。弁護士が読んだとき、これはアカン、勝ち目がない、ぐうの音も出ない、そう思わせることがメールの目的や。そうしとけば面倒にならんやろが。詳しく説明しろ言われたから説明しとるわけやないで。わしはB社の息の根を完全に止めるつもりで詳しく説明しとる。その気迫がこの文字数に表れとるんや。」
丁寧な説明はリスクを減らすというのは当たり前のことなのですが、この当たり前を敢えて提供しない弁護士が多数派です。最もわかりやすいのが懲戒処分通知です。お行儀の良い会社はやらかした従業員を懲戒するときに弁護士に相談してくれます。そして弁護士はシンプルな懲戒処分通知を作りたがります。労働紛争が発展したほうがお金になるからです。しかし私は裁判所には行かないと決めたので、書面で殺しにかかります。10頁を超える懲戒処分通知を叩きつけてやります。相談先の弁護士に勝ち目がないと悟らせるためです。
「弁護士の数を増やしたのに訴訟事件の数は減っている。弁護士の生活は苦しくなるばかりだ。」
「弁護士の数を増やしたおかげで訴訟事件が未然に防がれている。」
どちらと感じるかで、弁護士として仕事に向き合う態度がわかると考えています。